気管支喘息は、好酸球が主体の気道の慢性炎症です。症状は、夜間や早朝に出現する発作性の呼吸困難、喘鳴、咳などの症状の反復です。血液検査では、好酸球やIgEが高値を示します。胸部CTでは、正常の場合もありますが、気管支壁の肥厚や肺の過膨張を認める症例もあります。また、呼気NO検査で、気道の好酸球性炎症の程度を外来ですぐに計測できます。当院でも、喘息が疑われる患者さんの診断目的や、すでに治療されている患者さんのコントロール指標として、呼気NO検査を行っています。一定の強さで10秒間息を吐く検査です。治療は、吸入ステロイドです。最近では、吸入器具が進歩しており、吸入ステロイドと長時間作用性β2刺激薬配合剤が喘息患者さんの治療基本になっています。それでも、コントロールができない患者さんには、長時間作用性抗コリン薬の吸入やテオフィリン徐放製剤の内服、ロイコトリエン受容体拮抗薬の内服を追加します。上記の治療にて、ほとんどの患者さんの喘息がコントロールできます。それでもコントロールできない患者さんの治療に、抗IgE抗体や抗Il-5抗体や抗IL-5受容体α抗体を投与することがあります。当院でも、血中好酸球が高値の患者さんに、抗IL-5受容体α抗体を使用して加療しています。